表紙 ともに暮らせなかった息子へ

ある女性科学者の遍歴
服部ゆう子
……抱えていた仕事量や生活情況から判断すれば、
それは「自爆」に近い選択だった。
だが、他に道はなかったのだ……

その時期の私の選択肢は二つあったと思う。
世間に妥協して子供を理由に仕事をやめるか、
自分の研究分野を開発して飛び込むか、だ……
私の選択は後者だった……

……私は息子に……自分の生きざまを見せ、一緒に経験することで、
ひたむきに生きることを伝えたかった……だが、
息子はまだ、あまりにも幼すぎた……
早すぎる教育を、私は息子に強いていた……

……私は追い詰められていたのだろうか。
あれから三〇年が過ぎる今でも、
私は、あの時の選択は正しかったと信じている……
2009.05 四六判171頁 定価1575円(5%税込 本体1500円)
ISBN978-4-88622-341-8

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