dbs「カモシカの生活誌」目次

第一章    調査の始まり
                九艘泊と脇野沢ユースホステルとお祭りと
                一八の夏、ぼくは初めてカモシカと出会った
                慣れてしまえば個体識別はお尻でできる
                カモシカはシカではなく、ウシの仲間である
                調査だとは意識しないうちに、調査は始まった

第二章    四季の暮らし
                カモシカの生活は食べて休んで、また食べて
                カモシカの食べるもの、食べないもの
                のぞきはカモシカ観察の基本テクニック
                春は、出産と毛がわりと居眠りの季節
                夏の山 カ、アブ、ダニにたかられて
                秋は交尾期、メスのお尻をオスが追いかける
                冬は落葉広葉樹の枝先を食べて暮らす

第三章    なわばり
                長いつき合いのカモシカたちがいる
                出産は毎年、一五年間に一四回産んだ
                グループをつくるカモシカたちの関係は?
                重なり合う行動圏と、重なり合わない行動圏
                カモシカのなわばりは個体のなわばりである
                結局よく分からない眼下腺こすりつけであった

第四章    調査の日々
                あおししの由来はアホからきている?
                調査で苦労するのは宿さがしである
                小三だった少年はぼくより先に就職していった
                サルの「保護オリ」はサルをホゴにするオリ

第五章    つがいと母子
                オスはつがい相手以外のメスにも足を出す
                所変われば相手も変わるつがい関係
                母子の結びつきに関するいくつかの事例
                子どもはオスもメスもいずれ出ていくもの
                子どもの分散の要因と性差はいかに?
                問答−家族、つがいは生活の基本でない

第六章    歴史を追って
                一三年と半年つきあったカイコが死んだ
                カモシカの国の歴史を追って
                成オスたちの移り変わりを見る
                重ならないはずの行動圏が重なる場合
                単独性の社会をもたらしているもの

第七章    食害という問題
                サルも悪いたって、カモシカもまた悪い
                防護柵の中で暮らす不届きなカモシカがいる
                柵からネットへ、食害を防ぐ試行錯誤がつづく
                日々やっていることが博物館活動である

第八章    山とカモシカ
                奥戸ではカツラの赤い芽ぶきが印象的だった
                休み場を奪うものは林の伐採とそれから・・・
                冬、スギの幼齢人工林は雪野原となる
                カモシカばかり目立つ山はどこかいびつである
                最後はもっと楽しいことを書きたかった

あとがき

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